他愛もない話をしながら甘いケーキを食べ、少し早めのクリスマス気分を味わう。
さすがにこの量はふたりでも食べ切れなくて、結局半分は私が持ち帰ることになった。
「美味しかったー!」
「胃が糖分で満たされた」
「ぷっ、糖分って。なんだかそらくんの感想、いつも独特だよね」
「え、そう?」
そんな感じでケーキを片付け、時計を見ればもう4時をまわっていた。
すると、ピロン、と私のではないスマホから着信音が鳴る。
「そらくんの?」
「あ、うん」
こたつにあったスマホを取り、確認するそらくん。
それを見て、そういえば、と私は気になっていた話題を振る。
「メッセージで言ってた“話したいこと”って、なあに?」
「ああ……それね」
さっとスマホをこたつの上へ伏せる。
少し考えて、少し表情を濁らせて、少し重そうな口を開いて。
「愛莉のことなんだけど」
「……、」
やっぱり、と思った。

