ケーキも持ってくる、と言ってスッと立ち上がり、キッチンの方へ行って、またすぐに戻ってきて。
「この量、ひとりじゃとても食べ切れなくて」
「わーっ、すごいねー!」
運ばれてきたのは、大きなブッシュドノエル。
写真で見た通り、トッピングにはかわいいサンタクロースが乗っている。
「かわいい〜!ちょー美味しそうっ!」
「ははっ。スーパーで買えるやつだけどね」
そう言ってそらくんはノエルをカットして私の分をよそう。
ありがとう、と笑顔で伝えたら、そらくんも嬉しそうに微笑んだ。
「あ、じゃあそらくんスーパーでアルバイトしてるんだ」
「うん、先月から固定で始めた」
「そっかあ、大変じゃない?」
「もう慣れた。ちょうど昨日で研修生を卒業したから、このケーキはお祝いにって」
「へー!じゃあ、おめでとうの乾杯しよっ」
カチャン、と陶器のぶつかる音を響かせ、ふふっと笑い合う。
楽しい、と思った。

