それに、あいにく季節は冬だから。

いつも抱きつかせてくれた愛莉がもう隣にいないのは、寒くて寒くてしょうがない。


「はあ……」


机に広げた週末課題をこなすヤル気はいつにも増して雀の涙ほどさえない。

そんなことわざが出てくるということは開いている教科書が現代文ってこと。


「やる気〜スイッチ〜私の電池は〜切れる〜♪」


オリジナルの替え歌を口ずさんだら完全に脱力して、ふかふかのベッドにダイブする。

充電中のスマホを手に取ると、光る画面には新着メッセージが2件。


「“もらった”……って、わー!すごい」


それは、近ごろお昼休みをともに過ごすそらくんからのメッセージで。

バイト先からもらってきたらしいクリスマスケーキの写真が送られていた。


おいしそうだね、
と返したら、すぐに既読がついて。


〔一緒に食べよう〕


と、お誘いの言葉が舞い降りた。


た、食べたい!!