「そらくん……」
大丈夫?と言ってこちらへ歩いてくる。
私の手付かずのお弁当に気づき、心配そうな顔をする。
「ここ、いい?」
「う、うん」
そう言って私の隣に椅子を運んで座る。
「こんなに話さないふたり、初めて見た」
うっ。
やっぱり、そらくんも気づいていた。
まあ、気づかない方がおかしいかもね。
あれほどいつも一緒にいたんだから。
そう。
あれほど、一緒にいたのに。
「……愛莉を、傷つけちゃった」
「……」
私の、そらくんの、大切な存在を。
「私、こんな自分が嫌いだよ。素直になりたいときはなぜか天邪鬼になっちゃうし、気持ちを隠さなきゃいけないときに限って爆発させちゃう」
「……」
「私のせいで、私たちの大切な関係が変形しちゃった。どんどん、愛莉との対角線が伸びていっちゃうみたいっ」
「ハナ」
そらくんが私の言葉を制するように、名を呼んだ。

