そう言葉を放つと、この黒い塊はどろどろになって、涙へと姿を変えて、
私の目尻から、目頭から、鼻の穴から、
ぼろぼろ溢れ出した。
押し込めたはずの“ナニカ”が、
ここぞとばかりにうごめいて、暴れる
なにこれ、ワカラナイ
────ほんとは、ワカッテル。
こんな感情、シラナイ
────この感情を、シッテル。
──これは、“ 嫉 妬 ”という感情なのだ。
その名を突きつけられた私は、感極まって立ち上がり、叫ぶ。
「私も今日の愛莉、大の大のだーーーいっキライ!!」
腹の底から出した大声は、真っ暗な公園内にこだまする。
近所迷惑だなんて考えもせず、愛莉の顔なんて見たくもなくて、ただひたすら、走った。
「はあ、はあ……」
駅に着けば、できるだけこのひどい顔を隠すようにうつむいて、改札を通る。
ホームにはほとんど人は居なくて、少しほっとする。
いやだった。
こんな醜いもの、発したくなかった。
全部全部、心の奥に蓋したままでよかった。

