「私は愛莉みたいに美人でもないし大人でもないし、スタイルも頭も良くないし!それにっ、ああやってしょーくんに告白されるくらい魅力的でもないっ!!!それに、それにっ……」
愛莉みたいに学校一の美女じゃない。
愛莉みたいに上手にフルートなんて吹けない。
愛莉みたいに器用に感情をコントロールできない。
頑張ってソロコンに出ても入賞さえできないし、
夏祭りに一生懸命メイクしたって愛莉の浴衣姿の方が綺麗だし、
どんなに微笑みかけてもしょーくんが見ているのは愛莉だし、
しょーくんの前だと素直になれなくて子ども扱いされるだけだし。
どんなに憧れたって、どんなに努力したって、どんなに仲良くなったって、
「……私は愛莉になんて、なれない……」
私は、しょーくんの好きな人になんて、なれないんだ。

