傷付くけれど、

聞かなけれならない気がした。


そうすれば、強くなれる気がした。


強くなれば、

この苦しい想いにも、耐えられる気がした。


それができれば、

この関係も、

壊れない、気が、した。




「ハナのこと、好きなんだ」



どこまでも遠い青空を見上げていた。


そこにはきっと、ハナが映っているんだろうな、と思った。



「知ってた」

「そうか。 …………って、え!?」


ぱっとこちらに顔を向けて、やっと私を視界に入れる。


「そらを見てたらわかるよ」

「まじか。俺そんなにわかりやすいかよ……」


あいつにも言われたや、とふてくされる彼。


「俺はハナが好きで、ハナはあいつが好きで、あいつは愛莉が好き」

「……」

「どうすればいいのかな」


ははっ、と笑い声を投げ、立ち上がる。


トイレ行ってくる、と一言残してこの場を去った。