「愛莉ちゃんおめでと〜!」
「学校一の美人と同じクラスなんて最高!」
「一緒に写真撮っていい?」
愛莉の席の周りはクラスメイトでいっぱい。
それを教室の端っこで眺める、私とそらくん。
「いやー、愛莉も一躍人気者だね」
「うん」
短い返事に、ふと疑問が浮かぶ。
どうしてこんなに素敵な人がそばにいるのに、そらくんはこうも平静でいられるんだろう。
「そらくんは愛莉のこと、好きにならないの?」
「え?」
「あっ」
やばい、と思った。
愛莉の好きな人、そらくんってバレちゃうかもって。
「普通に好きだけど」
「え?」
今度は私が聞き返した。
好き、って……!
「幼馴染だし」
「りょ…………っ、あー、幼馴染として好きってことね!」
「うん」
び、びっくりしたあ!
思わず両想いじゃん!って口から飛び出しそうになったよ、危ない危ない。
「そ、そっかー。それは夏祭りのときに言ってた好きな人ではなくて?」
「っ……、あれは、愛莉じゃない」
「そうなんだ……」

