そらくんの表情は、どうしてか苦しそう。
それとは正反対に、しょーくんはとても楽しそう。
愛莉を見れば、心配そうにそらくんを見つめている。
嫌な予感がする、と言った愛莉の声が、どうしてかわからないけれど一瞬、脳裏をよぎった。
午後4時。
ステージ上にはもちろん、愛莉としょーくんにスポットライトが当てられていた。
「コングラッチュレーションズ!見事ミス&ミスターに選ばれたお二人へ、盛大なる拍手を〜!」
とんがり帽子の司会者は、マイク片手に二人へ向かってキラキラと手を振る。
会場は拍手に包まれ、そうして文化祭のメインイベントは幕を閉じた。
お客さんは続々と学校の門を出ていき、私たちは片付けや掃除のために一度教室へ戻る。
「お疲れさま〜」
「お疲れー!」
「ちょー楽しかったー」
と、教室中は疲労感と充実感でいっぱい。

