「ん?」
振り返れば、いつもの制服姿に戻った愛莉としょーくんがいた。
「あっ、ふたりとも、ミスコンお疲れ〜!」
「見に来てくれたんだね」
「うん!さすがしょーくん、すごい人気だったよ!いちばん歓声が大きかった〜!」
「ははっ、そうなんだ」
目尻がくしゃっとしわになる。
優しい王子様の笑顔はどうしても私の心をつまんで弾く。
弾かれた心は、好き、という地に着陸する。
見惚れていたら、愛莉が目を覚まして、と言いたげに私のほっぺをつついた。
「ハナとそら、舞台から見つけたよ」
「ほんと!?やっぱ愛莉って視力いいよね!」
「だってハナ、あんなに はしゃいでたら誰だって目に入るよ」
「え、そう?」
たしかに、としょーくんもおかしそうに笑って、そうかも、とそらくんも思い出したように目を細める。
な、なんか恥ずかしいなあ。
「ま、まあとにかく、二人とも絶対ミスミスターだからスピーチ頑張ってね!」

