きっとあの調子じゃ愛莉は優勝するから、後夜祭では彼女のスピーチも聞けるはず。
自分のことのようにわくわくして、期待で胸が踊る。
「……行くんだ、後夜祭」
「えっ、そらくん行かないの?」
「そのつもりだったけど……」
後夜祭は自由参加だから、文化祭が終わればそのまま帰ってもいい。
だけど軽音部のライブはすごく楽しいし、ダンス部のパフォーマンスは超人気だし、なんたってミスコン表彰!
ミスとミスターのお披露目会みたいな感じのそれは、毎年盛り上がるんだ。
「行こうよ!せっかく愛莉もミスだし!」
「ハナがそう言うなら、行く」
「やった〜!じゃあ一緒に行こうねっ」
「うん」
そらくんが頷いたのを確認した私は、にっこり微笑みかける。
彼もふわっと優しく笑い返す。
すると、とんとん、と2回ほど肩の上で何かが跳ねる。

