ああ、綺麗だなあ、と思った。
美人で、大人で、優しくて、器用で。
何でも持っている愛莉にすごく憧れて、愛莉を目標にして、愛莉が大好きになって、そうして…………
羨ましい、って思った。
それと同時に、なんかこう、もやっとした“ナニカ”が、その奥に潜んでいるような、そんな。
何かわからないけどそれは、触れちゃダメな気がして、もっと奥へ押し込んだ。
「続いてはー、ミスターたちの登場〜!」
弾む声、響くメロディー、盛り上がる会場。
次々と登壇するかっこいい男の子たちに、心打たれる女性陣の歓声。
それらがちょうどいい具合に、謎の感情をごまかしてくれた。
さらには最後に現れた大好きな王子様のおかげで、それはすっかり消え失せた。
それから10名の簡単な挨拶があって、投票の募集案内があって、結果は午後4時に発表するからお楽しみに、とお知らせされた。
「ステキだったな〜、愛莉もしょーくんも」

