愛莉を送り出した私とそらくんは、暇つぶしに校内をぶらぶら散策して、クレープ食べたりモグラ叩きしたり。
そしたらあっという間にミスコンのショータイムになって、運動場の華やかな特設ステージを目前にする。
「わくわくするね〜」
「うん」
すると突然、じゃんっ!という派手な音楽が耳を刺激し、反射的にビクッと肩が震える。
ステージに目をやれば、プシューーーッ!!!!と煙のような白い霧が舞台の両脇で噴射して、うわあっとざわつく観客席。
舞台袖から、大きな赤い蝶ネクタイが印象的な、いかにも司会者たる人物が現れた。
「アテンション・プリーズ!皆さんお待ちかね、ミス&ミスターコンテストぉ〜、レッツ!スタートナウ!」
よく通るその一声は会場の温度感を一気に上昇させる。
わぁあっと沸き上がる観客の興奮。
私もその熱風に巻き込まれ、ドキドキと感情が高ぶった。
「エントリーナンバー1番、2年C組──」

