「え〜、なになに?私のことも実はきらいだったとか!?」
「違うから!そんなことあるわけ……」
ない、と弱々しい語尾でチラリとこちらを見たけれど、視線が交わった途端にパッと逸らされて。
動揺しているらしいそらくんは、やっぱり少し可愛い。
「もー、そらくんってば変なの」
可愛いから許してやろう、というセリフは音にせず、胸の内にしまっておいた。
「そう言えば、明日はミスコンの決勝だね〜」
そうね、と愛莉の返事がして、ああそっか、とそらくんのつぶやきが聞こえた。
舞台へ上がる愛莉もしょーくんも、きっとステキだろうなあ。
「愛莉はどんなドレス着るの?」
「それは当日までお楽しみ、だって」
「え〜っ、そう言われると見に行かない選択肢はないね」
何度かミスコンの打ち合わせへ行ってたから、てっきりリハーサルとかで試着したと思っていた。
これはかなり、楽しみだなあ。

