そんな楽しい時間はあっという間に過ぎ、文化祭初日は終了した。
「ふぁ〜。疲れたけどめーっちゃ楽しかったー!」
「お疲れさま」
「お疲れ」
帰り道、コンクリートの地面には3つの影が伸びていた。
今日はバイトがこっち方面であるらしいそらくんも一緒で、なんだか新鮮。
わー、さすが長身。
そらくんの影が私の3倍くらい長く伸びてる。
……ん?そらくん?
あ!そう言えば!
という思いつきは大きめな音でセリフになって、どうしたの、と二人が少し驚いて私を見る。
「そらくん、あのときなんて言おうとしたの?」
裏庭で、真っ赤な顔をしたそらくんが言いかけた言葉。
なんか忘れてたなあと思ったら、急に思い出した。
「あ、あれは……何でもない」
もう気にしないで、とガシガシ頭を掻いて顔を背けちゃうそらくん。
そう言われると逆に気になっちゃう性格な私。

