「だから、つまり、その、俺……」
目をあちらこちらへ泳がせる彼の顔はいつものように白じゃなくて、なぜか真っ赤。
ぱくぱくと動く口は何かを言い淀んでいる。
「……?」
「俺が……好き、なのは……」
すうっと息を吸って、その唇が開いた瞬間。
「ハナ!」
発されかけたそらくんの音は私を呼ぶ声に遮られ、こちらへ走ってくる足音が重なった。
後ろを見ると、愛莉が息を切らして苦しそうに向かってくる。
「ハナ、そら、やっと、見つけた、はあ、はあ、っ」
「愛莉!だ、大丈夫!? ちょっと座ろっか」
「うん……」
愛莉の背中をさすりながら、少し傾斜になっている芝生へ腰を下ろす。
木陰になっていて、風が吹くと涼しい。
しばらく休憩して脈拍が平常に戻った愛莉の頭にふと目をやると、先ほどまで乗せていた花冠がなくなっていた。
「ごめんね、はぐれちゃって」
「ううん、私こそごめん。しょーくんと写真なんて」
「気にしないで、私は別に大丈夫だよ!」
「ハナ……」

