■■ ハナside ■■
* * *
「ねえ聞いた?しょーくん、投票数ぶっちぎりのトップで通過したんだって!」
「きゃーすごいっ! でもまあ、当然の結果だけどね〜」
「このまま本選も余裕で1位なんだろうなー!あ〜かっこよすぎる〜」
お昼休み。
聞こえてきた女の子たちの声に、私も内心激しく同意する。
ピロティーの掲示板の前には、女子生徒の人だかりができていた。
昨日まで投票が行われていたミスコン予選の通過者名が、そこに貼り出されているから。
装飾された文字列の中には、もちろん愛莉の名前も入っていて。
男女各5名、計10名。
愛莉含むこの10名は来月末の文化祭当日、舞台へ上がることが決まっている。
「あーいりっ♪ミスコン通過おめでと〜!」
「……うん、ありがと」
「な、なんか嬉しくなさそうだね?」
うーん、と少し複雑な表情になる愛莉を見て、もっと喜んでいいのになあ、と思う。

