気分はサイダー。
500mlの透明ボトルを傾けて、爽やかな喉ごしを感じる。
そのしゅわしゅわと弾ける泡は、ソロコンのときに愛莉からもらった差し入れを思い出させた。
「愛莉」
と、心の中で呟く。
つくづく、いい女だと思う。
そう認識したのは、割と最近だったりする。
『隣のクラスの愛莉という学校一の美女が、しょーくんのこと気になっているらしいよ』
今年の桜が散った頃、興味深いうわさを耳に挟んだ。
聞き覚えのある名前に、あ、去年同じクラスにいたよな、と思い出す。
“学校一の美女”って部分に反応した俺は、すぐに愛莉を視界に入れた。
1年のときはそんなにうわさが立つほど美人だなんて言われていなかったような気がするけれど、改めて見るとたしかに、酷く綺麗な女だ。
仕草一つひとつが繊細で、優雅で、美しい。
まるでバラの楽園を舞う一羽の蝶のよう。
目を奪われるほどの容姿端麗な彼女に、興味を持たないわけがない。

