風呂場でも、洗面所でも、机に座っても、ベッドの上でも、浮かぶのはハナの顔。 眠れない。 頭が冴えてしまう。 何かの病気か。 これはかなり重症ではないか。 精神的にやばいのか、俺。 “好き”という感情は、こんなにも人を、おかしくしてしまうのか。 ただの“好き”では、ないのかもしれない。 初めて味わうこの何とも言えない感情は、恋とか愛とか、そういう類いのものなのか。 だとしたら俺は今、ハナに恋心というものを抱いているのか。 恋とは、こんなにも、不穏なんだ。