「堂島社長……毎回行かないと言っているでしょう」
「あ! そやったそやった、畔上くん結婚したんやったなぁ。ついこれまでのノリで誘ってもうたわ!」
バシバシと俺の背中を叩き、がははと笑う彼。
これでもかなりのやり手で、これまでに何度かアドバイスをもらったりもしているのだが、キャバクラ好きで有名なのだ。俺も会うたびに誘われて困っている。
まあ、こういうときに結婚している事実は役立つか……などと思いつつ、彼のマシンガントークに付き合っていると、ふいにじっと顔を覗き込まれる。
「畔上くん、顔が優しくなったんちゃうか? 嫁さんのこと、愛しとるんやな」
嫌みのない笑みを浮かべて言われ、顔に出ているのかと驚き一瞬目を丸くした。気恥ずかしくなるも、正直に答える。
「……ええ、とても」
「ほんなら絶対手放したらアカン。もし逃げられそうになったら、道頓堀に飛び込んででも捕まえておくんやで。そんなに深く愛せる人には、そうそう巡り会えるものやないんやから」
その力説には〝あんた独身やないか〟とツッコみたいのだが、堂島社長の言いたいことはよくわかるし、正しいとも思う。
離婚などしないと改めて決意を固めることもでき、俺は口角を上げて「そのつもりです」と返した。
「あ! そやったそやった、畔上くん結婚したんやったなぁ。ついこれまでのノリで誘ってもうたわ!」
バシバシと俺の背中を叩き、がははと笑う彼。
これでもかなりのやり手で、これまでに何度かアドバイスをもらったりもしているのだが、キャバクラ好きで有名なのだ。俺も会うたびに誘われて困っている。
まあ、こういうときに結婚している事実は役立つか……などと思いつつ、彼のマシンガントークに付き合っていると、ふいにじっと顔を覗き込まれる。
「畔上くん、顔が優しくなったんちゃうか? 嫁さんのこと、愛しとるんやな」
嫌みのない笑みを浮かべて言われ、顔に出ているのかと驚き一瞬目を丸くした。気恥ずかしくなるも、正直に答える。
「……ええ、とても」
「ほんなら絶対手放したらアカン。もし逃げられそうになったら、道頓堀に飛び込んででも捕まえておくんやで。そんなに深く愛せる人には、そうそう巡り会えるものやないんやから」
その力説には〝あんた独身やないか〟とツッコみたいのだが、堂島社長の言いたいことはよくわかるし、正しいとも思う。
離婚などしないと改めて決意を固めることもでき、俺は口角を上げて「そのつもりです」と返した。



