重要な会議でなければ、瀬在に同行してもらう必要はない。色弱に関してだけでなく、どちらかと言えば一匹狼で敵も作りやすい俺には、彼がいると助かることは多々あるのだが。
イベントで知見を広げたあとは、広告関係の業界人が集う交流会に参加する。高層階のラウンジでディナーをいただきながら、初対面の社長と意見交換をしていると、偶然知り合いと鉢合わせた。
〝ネージュ・バリエ〟というデザイン会社を経営している久礼社長だ。
現在三十三歳で、一児の父。大人の余裕を醸し出すイケメンで、大雑把なタイプだがとても人当たりのいい人だ。会社が同じ横浜ということもあり、今日のようなイベントや会議で、部長の頃から度々顔を合わせている。
彼は俺に目をかけてくれるうえに、とても有意義な時間を過ごせるので、今夜も少し話をしようとふたりでカウンター席へ移動した。
並んで座ると、久礼さんがウイスキーをふたり分頼んでから話し出す。
「ジョインプレッション、だいぶ巻き返してるらしいな。畔上の手腕はさすがだよ」
「ついてきてくれる社員のおかげです。ネージュ・バリエこそ、新しいSHINDIOUの広告が出るたび話題になっているじゃありませんか」
イベントで知見を広げたあとは、広告関係の業界人が集う交流会に参加する。高層階のラウンジでディナーをいただきながら、初対面の社長と意見交換をしていると、偶然知り合いと鉢合わせた。
〝ネージュ・バリエ〟というデザイン会社を経営している久礼社長だ。
現在三十三歳で、一児の父。大人の余裕を醸し出すイケメンで、大雑把なタイプだがとても人当たりのいい人だ。会社が同じ横浜ということもあり、今日のようなイベントや会議で、部長の頃から度々顔を合わせている。
彼は俺に目をかけてくれるうえに、とても有意義な時間を過ごせるので、今夜も少し話をしようとふたりでカウンター席へ移動した。
並んで座ると、久礼さんがウイスキーをふたり分頼んでから話し出す。
「ジョインプレッション、だいぶ巻き返してるらしいな。畔上の手腕はさすがだよ」
「ついてきてくれる社員のおかげです。ネージュ・バリエこそ、新しいSHINDIOUの広告が出るたび話題になっているじゃありませんか」



