「とりあえず、一絵さんとちゃんと向き合ってみたらどうですか? きっとまだ遅くない。むしろ、今がチャンスかもしれませんよ」
彼に言われると、不思議とそうかもしれないと思わされる。……が、向き合うにはどうしたらいいんだ?
まずそこから悩み出す俺に、瀬在は「やっぱり不器用だなぁ」と呟いてクスクスと笑っていた。
車の中で思案した結果、まずはふたりで話す時間を作ることが大事だろうという考えに至った。
オフィスに戻って一絵の姿を見つけると、夕飯を一緒に食べようと約束を取りつけたが、そういえば社内でこんなふうに話しかけるのは滅多にない。
だから一絵は目を丸くしていたんだな。ぽかんとしている顔も可愛かった。
彼女を想うのはほどほどにして、入っていた予定のすべては時間通りに済ませた。その後、名の知れたパティスリーに寄り、彼女が好きそうな桜のスイーツをいくつか購入して帰途につく。
一絵が甘いものが好きなことくらいは知っている。俺はあまり得意ではないので一緒に食べることはほとんどなかったが、食後にゆっくりと話をする口実になればと思ったのだ。
彼に言われると、不思議とそうかもしれないと思わされる。……が、向き合うにはどうしたらいいんだ?
まずそこから悩み出す俺に、瀬在は「やっぱり不器用だなぁ」と呟いてクスクスと笑っていた。
車の中で思案した結果、まずはふたりで話す時間を作ることが大事だろうという考えに至った。
オフィスに戻って一絵の姿を見つけると、夕飯を一緒に食べようと約束を取りつけたが、そういえば社内でこんなふうに話しかけるのは滅多にない。
だから一絵は目を丸くしていたんだな。ぽかんとしている顔も可愛かった。
彼女を想うのはほどほどにして、入っていた予定のすべては時間通りに済ませた。その後、名の知れたパティスリーに寄り、彼女が好きそうな桜のスイーツをいくつか購入して帰途につく。
一絵が甘いものが好きなことくらいは知っている。俺はあまり得意ではないので一緒に食べることはほとんどなかったが、食後にゆっくりと話をする口実になればと思ったのだ。



