なんとも言えない気持ちで流れる景色を眺めていると、瀬在が毅然とした口調で言う。
「色弱のことを気にするかもしれないっていうのは、慧さんが勝手に思っているだけでしょう? 奥様がどう考えるかは聞かなければわからない。一絵さんは昔の彼女じゃないんだから」
正論をぶつけられ、わずかに心が動く。
瀬在が俺を名前で呼ぶのは、建前を気にしないときだ。そういえば、こいつは俺の事情を知ってもまったく態度が変わらなかった。
「お前は気にしなかったな。俺がウニとわさびを間違えて食べても」
「あれは今思い出しても笑います」
遠慮のない言葉が返ってきて、俺も自然に笑いがこぼれた。
こいつのように、普通に扱ってくれる奴には救われる。だからこそ秘書に選んだのだが。
会議資料のグラフや文字の色の区別がつかないときや、デザインについて議論するときには助けが必要となる。瀬在は公私共に大切な存在なのだ。
「色弱のことを気にするかもしれないっていうのは、慧さんが勝手に思っているだけでしょう? 奥様がどう考えるかは聞かなければわからない。一絵さんは昔の彼女じゃないんだから」
正論をぶつけられ、わずかに心が動く。
瀬在が俺を名前で呼ぶのは、建前を気にしないときだ。そういえば、こいつは俺の事情を知ってもまったく態度が変わらなかった。
「お前は気にしなかったな。俺がウニとわさびを間違えて食べても」
「あれは今思い出しても笑います」
遠慮のない言葉が返ってきて、俺も自然に笑いがこぼれた。
こいつのように、普通に扱ってくれる奴には救われる。だからこそ秘書に選んだのだが。
会議資料のグラフや文字の色の区別がつかないときや、デザインについて議論するときには助けが必要となる。瀬在は公私共に大切な存在なのだ。



