──切実そうに口にされ、瞳にも、胸の奥からも急激に熱いものが込み上げてきた。

慧さんも望んでくれるの? 私たちと生きていくことを……。


「ずっと考えていた。どうやったら君を引き止められるかって。結局、このタイミングになってしまったが」


少々バツが悪そうにしながらも、彼の目には情熱の色が浮かんでいるのがわかる。まさか、私を引き止めようとしていたなんて。

溜まった涙で視界を揺らす私に、彼は力強く告げる。


「君たちに幸せを与える夫に、父になると約束する。だから……これからも俺と一緒にいてほしい」


ぽろぽろと、溢れる雫が頬を伝った。願ってもない言葉がもらえた嬉しさで、胸がいっぱいになる。

同時に、一度は離婚しようとしてしまった後ろめたさも感じて、泣きながら「ごめんなさい」と子供みたいに謝った。


「離婚を切り出したくせに、ずっと後悔していたんです。こんなこと言うのは、あまりにも勝手だけど……私も同じ気持ちです」


彼のシャツをきゅっと握り、我慢していた本心を伝える。


「慧さんと、この子と生きていきたい」