最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~

「せっかくのデートなんで。変ですかね?」と苦笑する私に、慧さんは小さく首を振った。


「君はなにをしても可愛いから心配いらない。ほら、準備ができたなら行くぞ」


そう言ってさっさと玄関に向かう彼を、私はキョトンとして見送る。

……ん? 今、耳を疑うようなひとことが聞こえましたが。ものすごくさらっと。

本当に思っているのか、はたまた面倒で適当にいいセリフを返しただけか。

どちらにしろ喜んでしまうくらい、今日の私は浮き立っている。こんな休日は初めてだし、難しいことは一旦考えるのをやめて一時の幸せを噛みしめていよう。

私は口元を緩ませ、小走りで彼のあとを追いかけた。


慧さんのラグジュアリーな黒い高級車に乗せてもらうのはさすがに初めてではないが、スマートに運転する彼のカッコよさには毎度ときめいている。

走行音が静かな車内で、いつもより会話を弾ませながら揺られること約四十分、海に面した人工島に到着した。


「八景島に最後に来たのは小学生の頃だ」
「私は高校のとき友達と遊びに来た以来です」


カップルや家族連れで賑わっている様子を見渡して、久々にやってきたテーマパークにテンションが上がり始める。