「なんでもない。さっさと飯を済ませて行き先を決めるぞ」
「あ、はい」
少しぶっきらぼうに言われ、私は慌てて食事を再開させた。どうせ終わる夫婦生活なら、こうやって彼を困った顔やいろいろな表情を拝んでおくのもいいな……なんて、いたずらなことを考えながら。
*
慧さんと食後にお茶をするのは初めてだった。とはいえ、彼は甘いものはあまり得意ではないので、私だけがケーキをいただいて彼は紅茶を飲んでいただけだが。
彼が選んできたものは、春限定の桜を使ったスイーツの数々。どうやら有名な一流パティスリーで買ってきたらしく、見た目も味も高級感たっぷりで感動した。
そして、このケーキには度数の高いアルコールが入っているのかと思うくらい、慧さんがすぐ隣にいるシチュエーションだけで酔わされた気がする。
ゆっくりデザートを堪能しながらふたりで週末の予定を立て、この一週間はその初デートだけを楽しみに仕事をがんばった。
そうして迎えた当日の土曜日、簡単な朝食を済ませたあと各々の部屋で身支度を整え、リビングで再び顔を合わせた。家の中なのに、まるで待ち合わせ場所に集合するカップルみたい。
「あ、はい」
少しぶっきらぼうに言われ、私は慌てて食事を再開させた。どうせ終わる夫婦生活なら、こうやって彼を困った顔やいろいろな表情を拝んでおくのもいいな……なんて、いたずらなことを考えながら。
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慧さんと食後にお茶をするのは初めてだった。とはいえ、彼は甘いものはあまり得意ではないので、私だけがケーキをいただいて彼は紅茶を飲んでいただけだが。
彼が選んできたものは、春限定の桜を使ったスイーツの数々。どうやら有名な一流パティスリーで買ってきたらしく、見た目も味も高級感たっぷりで感動した。
そして、このケーキには度数の高いアルコールが入っているのかと思うくらい、慧さんがすぐ隣にいるシチュエーションだけで酔わされた気がする。
ゆっくりデザートを堪能しながらふたりで週末の予定を立て、この一週間はその初デートだけを楽しみに仕事をがんばった。
そうして迎えた当日の土曜日、簡単な朝食を済ませたあと各々の部屋で身支度を整え、リビングで再び顔を合わせた。家の中なのに、まるで待ち合わせ場所に集合するカップルみたい。



