最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~

目頭がじんわりと熱くなり、揺れる文字をなんとか追っていく。


〝こうかいばかりで、かっこいいとはいえないおうまくんでしたが、ひとつだけ、ほこれるものがありました。それは〟


「〝ほんとうにたいせつなものをみつけ、てばなさなかったことです〟」


震える声で読み上げると同時に、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちた。

思えば慧さんは、仕事では自分の信念を貫いて理想を実現させ、気持ちに気づいてからは私をしっかり繋ぎ止めていた。

不器用だけど一途なのだ。そんな彼が、心から愛おしい。

唯一無二の存在となった二匹の物語を読み終えたとき、いろははいつの間にか眠りに落ちていて、幸せそうな寝息を立てていた。

私は泣いてしまったことが恥ずかしくて、涙を拭いつつ「すごい、感動しちゃった」とへらっと笑ってみせる。