最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~

「〝ねこちゃんとおうまくんは、いっしょにくらしているのに、おたがいのことがよくわからないままで、なかよしとはいえません〟」


そこまで読んで、はっと気づいた。この猫は私で、馬は慧さんがモデルなのではないかと。

再び彼に目を向けると、私の考えを肯定するように微笑んで頷いた。見方がガラッと変わり、興味深く絵と文字を追う。


「〝あるひ、ねこちゃんはこのいえをでていくといい、そこではじめて、おうまくんはこうかいしました〟……」


〝どうして、きづかなかったんだろう。こんなにすきなのに〟


慧さん……もしかして、私が離婚届を渡したあのときにはもう、好きになってくれていたの?

胸がぎゅうっと締めつけられるのを感じながら読み進みていくと、お馬くんがいろいろなシーンで後悔した様子が描かれている。

初めてのデートで告白できなかったこと、ケンカして傷つけてしまったこと、気持ちを伝えられないまま、猫ちゃんが危険な状態に陥ったこと……。

そのどれもが自分たちに重なって、慧さんがどれだけ私を想ってくれていたのかがわかった。

あの十カ月間、私たちはずっと、愛し合いながら葛藤していたんだね。