最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~

そのひとことにドキッとするも、私も同じ気持ちだったから頬が緩む。


「私も思ってたの。いろはをお姉ちゃんにしてあげたいなって」
「ああ。ただ……また一絵になにかあったらと思うと、正直不安でもある」


彼は抱きしめる腕の力を強め、複雑そうな心境を吐露した。

確かに、出産は本当に命懸けだと身をもって痛感したし、万が一のことがあったら慧さんだけでなくいろはも悲しませる。それを想像すると、私も少し怖い。


「また同じことが起こらないとは限らないけど……でも、後悔したくない」


たぶん、今ふたり目を作らない選択をしたら、やっぱり生んでおけばよかったと、あとから思う気がする。そうなってからでは遅いし、単純に欲しい気持ちのほうが強いのだ。


「だって、いろはすごく可愛いんだもん。大好きな人との子だから当然かもしれないけど、やっぱりもうひとり欲しい」


慧さんを見上げて無邪気に笑うと、一瞬目を丸くした彼も、ふっと表情をほころばせた。


「そんなふうにおねだりされたら、応えるしかないよな」


妊活を始める気になってくれたらしい彼は、湯船の中で私の身体を向き合わせ、とろけそうな瞳で見つめる。