最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~

カラーユニバーサルデザインの配慮もだいぶ浸透してきて、近々ゲーム事業のほうでも色弱者のためのアプリがリリースされる。

私も先日、MUD教育検定というものを受けて資格を取得したし、有資格者の社員が増えてきている。

これらはすべて慧さんが先導したこと。社を越えて皆の意識を高めさせたのは、本当にすごいことだと尊敬する。ただ、父が『やっぱり俺の見る目があったな』と満足げにしているのは、若干ウザいけれど。

そんな旦那様はいろはを宥めるのも上手で、慧さんの実家に着く頃には、すっかり私をパパに貸す気になっていた。

モダンな豪邸の玄関で、ご両親よりも結子さんが先に私たちを出迎えてくれる。


「ハロー、いろはちゃん!」
「はろー!」


いろはは結子さんのテンションにも物怖じせず、元気に挨拶を返した。人見知りせず愛想を振りまくわが子は、一体誰に似たのだろう……。

結子さんは満面の笑顔でいろはを抱き上げ、頬ずりしている。


「一絵ちゃんに似て、か~わ~いい~」
「俺にも似てるだろうが」


仏頂面ですぐさまツッコむ慧さんに笑っていると、ご両親や息子くんも出てきて、いろはを中へ連れて行ってくれた。

ご機嫌な彼女に手を振って見送り、お義母様に改めて頭を下げる。