自分が欠陥品だと思っていたのは、他でもない俺自身だった。その劣等感を、松岡社長や瀬在、一絵たちがプラスに変えていってくれたのだ。
色弱の理解を深め、協力してくれている社員たちも同じ。増田の発言は、俺を取り巻くすべての人に対して失礼に値する。
「それに……なにより許せないのは、俺の最愛の妻を苦しめたことだ」
拳を握る力を強め、社長の皮を脱ぎ捨てて、ひとりの男として言わせてもらう。
「政略結婚だから愛がないとでも? 俺が彼女を利用しているだけだと、本気で思っていたのか? 一絵を悲しませる奴は、本当なら殴り飛ばすくらい造作もないんだけどな」
ナイフのごとく鈍く光る鋭い視線を、目を見張る彼に突き刺して、抑えきれない怒りを滲ませる。
「一絵に会えたから、俺は俺のままでいいと思えるようになった。彼女がいない世界は、それこそ色も輝きも失う。そのくらい、俺は心から彼女を愛している」
本音を吐き出すと、増田はぐうの音も出なくなったのか、もう皮肉を言うこともなくただ呆然としていた。
色弱の理解を深め、協力してくれている社員たちも同じ。増田の発言は、俺を取り巻くすべての人に対して失礼に値する。
「それに……なにより許せないのは、俺の最愛の妻を苦しめたことだ」
拳を握る力を強め、社長の皮を脱ぎ捨てて、ひとりの男として言わせてもらう。
「政略結婚だから愛がないとでも? 俺が彼女を利用しているだけだと、本気で思っていたのか? 一絵を悲しませる奴は、本当なら殴り飛ばすくらい造作もないんだけどな」
ナイフのごとく鈍く光る鋭い視線を、目を見張る彼に突き刺して、抑えきれない怒りを滲ませる。
「一絵に会えたから、俺は俺のままでいいと思えるようになった。彼女がいない世界は、それこそ色も輝きも失う。そのくらい、俺は心から彼女を愛している」
本音を吐き出すと、増田はぐうの音も出なくなったのか、もう皮肉を言うこともなくただ呆然としていた。



