「それより、ウチもSNS広告の運用代行を行っている身だ。今回のように、企業にはなんら関係のない悪質な投稿をされるケースは初めてだが、これを機に対策をもう一度見直すことが必要だろう」
慧さんは冷静に意見を述べ、さらに業務連絡も伝える。いたって通常運転の彼を見て、皆の意識も自然に仕事へ向かい始めたらしく、話し終わる頃にはいつもの空気に戻りつつあった。
慧さんは最後に、そばに立ったままの高海に声を投げかける。
「高海も謝る必要はない」
ピクリと反応した高海は、意外そうに慧さんを見つめる。
「俺と一絵は、一生を添い遂げると約束した夫婦だ。これしきで崩れるような脆い関係じゃないからな」
そう放ってしたたかな笑みを浮かべる慧さんに、高海は目を見開いた。
今のは挑発なのか、余裕の表れなのか。どちらともつかないが、私たち夫婦の絆が強いものだと信じているのは確かだろう。
彼がそう思ってくれていることで、救われた気分だった。
とはいえ、やはり誰がなんの目的であんな投稿をしたのかは気になって仕方ない。
昼休憩になったところで、高海や麻那と社食でランチをしながら推理した。
慧さんは冷静に意見を述べ、さらに業務連絡も伝える。いたって通常運転の彼を見て、皆の意識も自然に仕事へ向かい始めたらしく、話し終わる頃にはいつもの空気に戻りつつあった。
慧さんは最後に、そばに立ったままの高海に声を投げかける。
「高海も謝る必要はない」
ピクリと反応した高海は、意外そうに慧さんを見つめる。
「俺と一絵は、一生を添い遂げると約束した夫婦だ。これしきで崩れるような脆い関係じゃないからな」
そう放ってしたたかな笑みを浮かべる慧さんに、高海は目を見開いた。
今のは挑発なのか、余裕の表れなのか。どちらともつかないが、私たち夫婦の絆が強いものだと信じているのは確かだろう。
彼がそう思ってくれていることで、救われた気分だった。
とはいえ、やはり誰がなんの目的であんな投稿をしたのかは気になって仕方ない。
昼休憩になったところで、高海や麻那と社食でランチをしながら推理した。



