最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~

その一文と共に添付されているのは、私と高海が近い距離で笑い合っている写真。先日、ショッピングモールでベビー用品を見ていたときのものだ。

どうして……一体誰がこんなことを?

愕然として固まる私に、深刻そうな表情の瀬在さんが確認する。


「事実ではありませんよね?」
「もちろんです! 高海とはここで偶然会っただけですから」


しっかりと目を見て否定すると、彼も心から疑ってはいない様子で頷き、眉をひそめて言う。


「アカウントを見てもこれの他に投稿はなかったので、一絵さんたちだけに悪意を向けているのは明らかですね」
「リプがついたのは夜中の一時頃で、今朝になったらもうアカウントごと削除されてたけど、気づいた社員から社内に噂は広まっちゃってるみたい」


心配そうにする麻那も続き、皆の奇妙な雰囲気はこれのせいなのだと納得した。得体の知れない人物に悪意を向けられている恐怖に襲われ、背筋がぞくりとする。

私たちのもとへ、絡んでくる社員を適当にあしらっていたらしき高海もやってきた。うんざりした様子の彼は、まず瀬在さんに頭を下げる。