「君自身とちゃんと向き合おうとしなくて悪かった。詫びと言ってはなんだが、君の望み通りにしよう」
〝あなただけが悪いわけじゃないです〟と言いたかったのに、ぐっと腰を抱き寄せられて喉が詰まってしまった。
さらに軽く顎を持ち上げられ、彼の色気を帯びた表情が目の前に迫り、心臓がドクンと飛び跳ねる。
「妻サービス、今からしてやる」
私の見開いた目に、瞼を伏せながら近づく美麗な顔が映る。いつも彼が纏う爽やかな香りがふわりと鼻をかすめ──唇が重なった。
優しく柔らかく触れているのに、脳が痺れそうなほどの感覚を覚える。好きな人とのキスって、こんなに甘くて刺激的なんだ……。
しばらくして唇の熱が引いていき、いつの間にか閉じていた瞼をゆっくり開けると、前髪同士が触れるくらいの至近距離で慧さんが問いかける。
「キスも初めて?」
より一層セクシーに感じる低い声にもクラッとしつつ、私は小さく首を横に振った。
他の男性との経験ではなく、慧さん本人としている。一度だけ、挙式のときに。
誓いのキスなので、触れるか触れないかくらいのとても軽いものだったが、それを忘れられてしまっているのだろうか。
〝あなただけが悪いわけじゃないです〟と言いたかったのに、ぐっと腰を抱き寄せられて喉が詰まってしまった。
さらに軽く顎を持ち上げられ、彼の色気を帯びた表情が目の前に迫り、心臓がドクンと飛び跳ねる。
「妻サービス、今からしてやる」
私の見開いた目に、瞼を伏せながら近づく美麗な顔が映る。いつも彼が纏う爽やかな香りがふわりと鼻をかすめ──唇が重なった。
優しく柔らかく触れているのに、脳が痺れそうなほどの感覚を覚える。好きな人とのキスって、こんなに甘くて刺激的なんだ……。
しばらくして唇の熱が引いていき、いつの間にか閉じていた瞼をゆっくり開けると、前髪同士が触れるくらいの至近距離で慧さんが問いかける。
「キスも初めて?」
より一層セクシーに感じる低い声にもクラッとしつつ、私は小さく首を横に振った。
他の男性との経験ではなく、慧さん本人としている。一度だけ、挙式のときに。
誓いのキスなので、触れるか触れないかくらいのとても軽いものだったが、それを忘れられてしまっているのだろうか。



