普段世話を焼かれている分、こういうときは私が多少お節介をしてもいいだろう。そう思い、十五階にある医務室までついていくことにしたのだ。
高海は反論する気力もあまり出ないのか、「しょうがねぇな……」とため息交じりに呟いて再び歩き始めた。
そうしてエレベーターに向かいながら、なんだか複雑そうな表情をする彼が呼びかける。
「……なあ、一絵」
「ん?」
「お前、離婚する気だったのか?」
突然、高海が知るはずもないひとことを口にされ、今度は私が足を止めた。ギクリとして、まん丸にした目で彼を見上げる。
「なんでそれを──!」
驚きすぎてつい口走ってしまい、慌てて口に手を当てたがもう遅い。これでは真実だと認めたも同然だ。というか、本当になんで知っているの!?
動揺を露わにする私に、彼は〝やっぱりか〟と言いたげな様子で説明する。
「畔上社長の姉って、モデルの結子なんだろ? 俺の姉貴が学生時代の後輩で、今も仲がいいんだよ」
「ぅええっ!?」
まさかの繋がりに驚愕して、変な声を上げてしまった。
高海のお姉さんが結子さんの後輩!? そんな話聞いたことなかったよ……自分の身内に芸能人の知り合いがいるなら、もっと自慢してもいいのに!
高海は反論する気力もあまり出ないのか、「しょうがねぇな……」とため息交じりに呟いて再び歩き始めた。
そうしてエレベーターに向かいながら、なんだか複雑そうな表情をする彼が呼びかける。
「……なあ、一絵」
「ん?」
「お前、離婚する気だったのか?」
突然、高海が知るはずもないひとことを口にされ、今度は私が足を止めた。ギクリとして、まん丸にした目で彼を見上げる。
「なんでそれを──!」
驚きすぎてつい口走ってしまい、慌てて口に手を当てたがもう遅い。これでは真実だと認めたも同然だ。というか、本当になんで知っているの!?
動揺を露わにする私に、彼は〝やっぱりか〟と言いたげな様子で説明する。
「畔上社長の姉って、モデルの結子なんだろ? 俺の姉貴が学生時代の後輩で、今も仲がいいんだよ」
「ぅええっ!?」
まさかの繋がりに驚愕して、変な声を上げてしまった。
高海のお姉さんが結子さんの後輩!? そんな話聞いたことなかったよ……自分の身内に芸能人の知り合いがいるなら、もっと自慢してもいいのに!



