先輩ママからのアドバイスはとても心強い。それに結子さんの言う通り、きっと慧さんなら協力してくれると信じられるから、私も笑顔で「はい」と頷いた。
結子さんが持ってきてくれた品々をすべて部屋に入れ、しばし話をしたあと、彼女は上機嫌に帰っていった。しばらく実家にいるようなので、日本にいる間にまた会おうと約束をして。
ふたりになった部屋で、結子さんに出した紅茶のカップを片づける私は、先ほど聞いた話について慧さんに振る。
「びっくりしました。慧さんが絵本作家になりたかったなんて」
「……小学生の頃の話だ」
「でも、慧さんの絵の上手さなら納得です。見てみたかったな」
ちょっぴり照れ臭そうにする彼に、私はふふっと笑った。慧さんが抱いていたささやかな夢を知れたのも、子供好きだとさらに確信できたのも嬉しい。
ところが、彼はいたずらっぽく目を細める。
「馬ヅラ猫のほうが絵本に合ってる気もするぞ」
「まだ言いますか」
私の壊滅的な画力については触れないでほしい。なにげに嫌味だし。
カップを洗いながら据わった目になる私に、慧さんはおかしそうに口角を上げ、ポンポンと頭を撫でた。
結子さんが持ってきてくれた品々をすべて部屋に入れ、しばし話をしたあと、彼女は上機嫌に帰っていった。しばらく実家にいるようなので、日本にいる間にまた会おうと約束をして。
ふたりになった部屋で、結子さんに出した紅茶のカップを片づける私は、先ほど聞いた話について慧さんに振る。
「びっくりしました。慧さんが絵本作家になりたかったなんて」
「……小学生の頃の話だ」
「でも、慧さんの絵の上手さなら納得です。見てみたかったな」
ちょっぴり照れ臭そうにする彼に、私はふふっと笑った。慧さんが抱いていたささやかな夢を知れたのも、子供好きだとさらに確信できたのも嬉しい。
ところが、彼はいたずらっぽく目を細める。
「馬ヅラ猫のほうが絵本に合ってる気もするぞ」
「まだ言いますか」
私の壊滅的な画力については触れないでほしい。なにげに嫌味だし。
カップを洗いながら据わった目になる私に、慧さんはおかしそうに口角を上げ、ポンポンと頭を撫でた。



