最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~

「じゃあ、さっそく甘えさせてもらおうか。君の心と体の調子がよければだけど」
「え?」


私の調子が関係ある?とハテナマークを浮かべた直後、彼が覆い被さってきた。手に指を絡め、シーツに縫いつけられる。

漂う空気が突然艶めかしいものになり、私は目を見開いた。薄めの唇が耳に近づいて、吐息交じりの声が囁く。


「……抱かせてほしい」


ドキン!と大きく心臓が飛び跳ねる。まさかそんな要求をされるとは!


「あ、甘えるってそういう意味では!」
「どんな俺も受け入れてくれるんだろ?」


動揺して軽く抵抗するも、したり顔でそう言われると黙り込んでしまう。うまく丸め込まれている気もするけれど。

ただただ顔を熱くするだけの私を、慧さんは欲情を滲ませた瞳で見つめて微笑む。


「一絵の甘い声と味が恋しくなったんだ。あの日からずっと我慢しているからな」


こちらが身悶えしたくなる言葉と共に、首筋にキスをされ、ビクッと身体が反応した。