「この空の色、畔上さんはどちらがお好きですか?」
そう問いかけた途端、彼の表情が強張った気がした。
別におかしなことは聞いていないよね……と不思議に思っていると、彼はなぜか煙たそうに眉根を寄せて言う。
「そんなこと聞いてどうする」
「ただの好奇心です。皆に聞いているので」
軽い調子で答えつつも、心の中では私と同じであってほしいと願っていた。畔上さんがもし緑のほうを選んだら、自分の感性を認めてもらえたと思えるし、心置きなくポートフォリオに加えることができるから。
彼はやや戸惑うような様子を見せたものの、パソコンの画面に目線を移す。
数秒見比べたあと、右側の作品を指差した。緑のグラデーションに染まる空を。
私の顔にはみるみる笑みが広がり、畔上さんは怪訝そうな顔をしていた。
あなたのなにげない発言や選択が私に自信を与えたことなど、知る由もなく──。
そう問いかけた途端、彼の表情が強張った気がした。
別におかしなことは聞いていないよね……と不思議に思っていると、彼はなぜか煙たそうに眉根を寄せて言う。
「そんなこと聞いてどうする」
「ただの好奇心です。皆に聞いているので」
軽い調子で答えつつも、心の中では私と同じであってほしいと願っていた。畔上さんがもし緑のほうを選んだら、自分の感性を認めてもらえたと思えるし、心置きなくポートフォリオに加えることができるから。
彼はやや戸惑うような様子を見せたものの、パソコンの画面に目線を移す。
数秒見比べたあと、右側の作品を指差した。緑のグラデーションに染まる空を。
私の顔にはみるみる笑みが広がり、畔上さんは怪訝そうな顔をしていた。
あなたのなにげない発言や選択が私に自信を与えたことなど、知る由もなく──。



