「爆発の痕跡を調査するも、原因は不明…何だそりゃ。爆発の原因が不明ってそんなことあるのか」
「へぇー」
…三年前だったのか。
あのホテル爆破事件は。
新手のテロじゃないかと騒がれた事件だ。
しかし、テロなのか事故なのかもさっぱりわからずに消えていった…という印象がある。
オガサワラリゾートも大変なことになって、麗華さんも調査に立ち会ったりとか、社長であるお父さんと被害者宅を訪問したり、奔走していたという話を母さんから聞いた。
「…え?このホテル、その爆破事件のあったホテルの跡地に建てられたの?」
「え?」
「ほらここ。賛否両論あったって書いてある」
輝樹と美森はスマホの画面を指差して、その続きを読んでいた。
その話を隣で何となく聞く。
じゃあ、あの地鎮祭をした土地は。
かつてあの爆破事件が起こったホテルの跡地だったのか?
何故、そんな土地にわざわざまたホテルを?
《土地的に、少々難があると菩提から指摘が入って、それを小笠原さんにアドバイスしたのだが…麗華がどうしてもここを譲らなくてな?》
親父、確かこんなこと言っていたような。



