「じゃあ、協力って何してくれんの?」
「とりあえず話を聞いちゃる」
「………」
役に立つのかどうか不明だ。
部屋に戻ると、いつの間にかテレビが付いていた。
「あぁー!素敵なホテルだー!泊まってみたいー!」
「何だこれ。セレブな空間だな?」
「豪華だな。女子が好きそー」
「…お。おまえら戻ってきたの」
何やらみんなテレビに釘付けのようだ。
ローカルのワイドショー?
…何はともあれ、さっきの話のことを忘れているようで良かった。
「何見てんの?」と、何もなかったかのようにみんなの輪の中に戻り、話に入る。
「新しいホテルだってさー。すすきのに」
「超豪華なホテル。でもお値段は平民の手に届くっていうからすごいよな」
「…すすきの?」
ふとテレビを覗き込むと、そこには女性リポーターさんがマイクを持って歩きながら、元気よくホテルの施設内を案内しているようだった。
『…見て下さい!この豪華絢爛煌びやかな室内!個室でさえ、このデザイン性のある空間!…ラグジュアリーなひとときが楽しめちゃいます!』



