そんな俺の前に現れたのは、颯太。

俺の顔色を伺ってるのか、恐る恐るとこっちを見ている。

目が合うと、へへっと笑いかけてくるが。

あからさまに、不自然だ。



「どうした」

「今日、部活無いだろ?どっか…行く?」

「………」

「は、話聞くけど…」



話を聞くって…。

これ…ひょっとして、気を遣われてるのか?

さっきの俺の無気力な様子を見て、颯太は俺がなずなに告白してフラれたもんだと思ってるようだ。



「…颯太。俺、フラれてないよ」

「え?」

「告白したけど、いろいろあって返事がうやむやになっちゃっただけだ。別件でボーッとしてただけ。ごめん。気にすんな」

「あ、そうなの?」

「それに、これからちょっと用事があるんだ。だからまたの機会に。それに明日、ウチに来るだろ」

「わ、わかった…」

「気を遣わせてごめん。じゃ」

「お、おう!」



颯太は戸惑っていたが、俺が思ったよりも大丈夫だとわかったのか。

最後は不自然ではない、本当の笑顔で送り出してもらった。

良い友人を持ったよ。俺は。