「そーゆーワケで、俺は行けないけどみんな楽しんでこいよ」

「美森、みんなのお世話頼むよ?」



当たり前だが、行くのを諦めたらしい。

すると、美森の横にいた川村が「えーっ!」と口を尖らせた。



「なんだー。水口パイセン来ないのかー。もし来たら、わっちずっと隣キープしよと思たのにー」



不服そうにぶーぶーと文句を言っている。

それが可愛いと思ったのか、せづマネは「あはは」と微笑ましく笑っていた。



「じゃあモエは私達と来る?三人で走ろっか」

「走れん無理ー」



そうだ。やめておけ。

この二人はアスリートだから、恐らくガンガン走るぞ。

ランデートとかいう可愛いモノではない…。



結局、瞳真くんたちとはそこで別れることに。当たり前だけど。



「じゃあ水口パイセン、明後日のわっちの歓迎会では一芸たのんます」

「えー。一芸?考えとく」

「もう、そんな簡単に返事して。瞳真、何の芸も持ってないでしょ」

「えー。あるよ」



別れ際にそんな会話を交わしながらも、二人は去っていった。



ホント。

瞳真くん、芸持ってんの?