チカの何気ない報告に、瞳真くんは無表情ながらもピクッと反応する。



「え。マジ。いーな。酸素カプセル入りに行くの。いーな。俺も行きてー」

「…え?!伶士んち酸素カプセルあるんですか?!」

「おー。すげーいーの」



ちょっとちょっと、俺の幼なじみ。

あんたの俺んちに行く目的、だいたいそれ?

いつも軽く小一時間はそこで昼寝してるよね。



「っつーか、水口さん、伶士んち行ったことあるんすか」

「おー。あるある。何回も。おまえら迷子になるなよ?フツーの民家じゃねえから」

「迷子?いや、大豪邸とは聞いてますけど…」

「何か知らねえけど、フツーの民家のはずなのに、男子トイレと女子トイレある」

「えぇっ!それ、フツーの民家じゃないでしょ!」



ちょっとちょっとちょっと。

そんな前情報やめてもらえますか。

立ち入る前に萎縮させるの、やめてもらっていいですか。



すると、この幼なじみは調子に乗ってとんでもないことを言い出した。



「っつーか、俺も一緒に行くかな」

「…えっ!」