俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「パウンドケーキ?私が生クリームダメだから?」

「そ、そだよ?ナッツぎっしりパウンドケーキ!」

「おぉー。ありがとー。このメッセージのクッキーもすごいね。さすがパン職人桃李ちゃん」

「えへへ。夏輝や哲太くんも今来るから、ジュースで乾杯しよー!」

そう言って、残念姉さんは、お連れのお友達と一緒にこの室内のソファー席にあるテーブルにて、紙コップやおやつを広げ始めた。

パンもある。焼きたてうまそう。



…ではない!



「…お、おい!今日、ホントに誕生日なのか?!」



今度は俺が、小声でなずなに耳打ちする。

すると、なずなは苦笑いを浮かべていた。



「あぁぁ…そういや今日誕生日だったって、さっき気付いたわ…」

「何っ!」

「まさか、病院のベッドの上で誕生日を迎えることになるとわ…」



そういや?さっき気付いた?

って、自分の誕生日、気付かない?忘れる?…何それ!40代の働き盛りのキャリアウーマンみてえなセリフ言いやがって!



ま、マジか…!