俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


言ってしまった…。

まだ、そんなやり取りもしてないのに。




なずなはビックリしてあわあわとしている。

その傍では、女子二人は「きゃー!」と騒ぎ始めていた。



「なず姉にカレシ!カレシだぁー!きゃー!」

「そ、そうだったんだ!わぁー!」



きゃーきゃー騒ぐ女子を横目に、なずなは「…ちょっと!」と小声で肘を小突いてくる。



「…何か?」

「何か?って?…だ、だって!」

「だって、これからそういう話、するつもりだったし」

「え…」

「っつーか、さっきの話の流れで、俺の彼女にならないわけ?」

「………」

なずな、再び固まる。

少々、強引でしたね…。



すると、残念な御方が「あ、そうだ!」と俺達をワクワクした顔で見る。



「じゃあ、な、なずちゃんの彼氏さんも一緒にお祝いしましょー!」

「お、お祝い…?」



そう言って、残念なこの人は、なずなの目の前にあるオーバーテーブルに、どんっ!と白い紙の箱を置く。

俺の持ってきた肉の隣に。