言ってしまった…。
まだ、そんなやり取りもしてないのに。
なずなはビックリしてあわあわとしている。
その傍では、女子二人は「きゃー!」と騒ぎ始めていた。
「なず姉にカレシ!カレシだぁー!きゃー!」
「そ、そうだったんだ!わぁー!」
きゃーきゃー騒ぐ女子を横目に、なずなは「…ちょっと!」と小声で肘を小突いてくる。
「…何か?」
「何か?って?…だ、だって!」
「だって、これからそういう話、するつもりだったし」
「え…」
「っつーか、さっきの話の流れで、俺の彼女にならないわけ?」
「………」
なずな、再び固まる。
少々、強引でしたね…。
すると、残念な御方が「あ、そうだ!」と俺達をワクワクした顔で見る。
「じゃあ、な、なずちゃんの彼氏さんも一緒にお祝いしましょー!」
「お、お祝い…?」
そう言って、残念なこの人は、なずなの目の前にあるオーバーテーブルに、どんっ!と白い紙の箱を置く。
俺の持ってきた肉の隣に。



