俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


ワンテンポ遅く、友人に突っ込まれてしまうとは、やはり残念な感じなのか。



「え?え?そうなの?なずちゃん?」

「いや、あの…えぇと…」

「や、やだもうー。この間、私、壁にしちゃったよ。なずちゃんの彼氏、壁にしちゃったよー」

…それは、もういいですよ。



二人の女子に、キラキラした目で興味津々に見つめられるなずなと、たまにチラ見される俺。

なずなは返答に困ってる。

また、モジモジし始めたぞ。



(………)



おい…。

っつーか、困るな。

正式なやり取りはなくても、そこは困るな!



「ねえねえ、なず姉、どーなの?紹介してよー!ねえ!」

「真凛ちゃん、この人はレイシくんっていうんだよ。背中広いんだよ?」

…なぜ、残念なあなたが俺を紹介するんです。

しかも、そんな微妙なコメントやめて。



「あ、えぇと…この人は」



…焦ったくて、こっちが困る。



何故かもどかしくなってしまった俺は、三人の間に入るように口出しをしてしまった。



「…彼氏です」

「…へっ?!」

「俺が、なずなの彼氏です」

「れ、伶士っ!」