ワンテンポ遅く、友人に突っ込まれてしまうとは、やはり残念な感じなのか。
「え?え?そうなの?なずちゃん?」
「いや、あの…えぇと…」
「や、やだもうー。この間、私、壁にしちゃったよ。なずちゃんの彼氏、壁にしちゃったよー」
…それは、もういいですよ。
二人の女子に、キラキラした目で興味津々に見つめられるなずなと、たまにチラ見される俺。
なずなは返答に困ってる。
また、モジモジし始めたぞ。
(………)
おい…。
っつーか、困るな。
正式なやり取りはなくても、そこは困るな!
「ねえねえ、なず姉、どーなの?紹介してよー!ねえ!」
「真凛ちゃん、この人はレイシくんっていうんだよ。背中広いんだよ?」
…なぜ、残念なあなたが俺を紹介するんです。
しかも、そんな微妙なコメントやめて。
「あ、えぇと…この人は」
…焦ったくて、こっちが困る。
何故かもどかしくなってしまった俺は、三人の間に入るように口出しをしてしまった。
「…彼氏です」
「…へっ?!」
「俺が、なずなの彼氏です」
「れ、伶士っ!」



