俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~



だが、最近の記憶。

蘇るのは、早い。




(…ああっ!)




こ、この人…!




《痛い痛い痛い痛い!…何するんですか!》

《ほらほらほらほら!早く早く早く!》

《…何を早くですか!》

《助けて下さい助けて下さい助けて下さいたす…》



一瞬、わからなかった…!

あの時はドレスアップした姿だったのに、今はベージュのボアコートにピンクのワンピースと、だいぶカジュアルで髪形も違うからわからなかった。



可愛い美人な顔をしてるくせに、力んだりする時に、なぜか腰を落としてガニ股になってしまう人。

技を出したりする時に「やー!」と、チアダンのような高い声を出してしまう人。

そして、集中力が切れるとキョドってダメになる、残念な人…!



向こうは、俺を覚えていたわけですか。



すると、その残念な人は、また「あ」と声を出す。

何か閃いたような顔をしていた。



「…え!レイシくんって、なずちゃんの彼氏だったんですか?!」

「桃李ちゃん、遅いよ。それさっき私聞いた」