「何で?」
「何でって?恥ずかしいだろが!…おまえ、性格変わったな?」
「そうか?…なずなこそ」
「わ、私が何だよ!」
「そんなに恥ずかしがりやだとは思わなかったけど?」
「んだと?!この、伶士っ………んんっ」
その言葉の続きは、唇で塞いでやった。
ムキになり過ぎて、かわいいんですけど…。
一回じゃ足りないキスは。
唇が離れてもまた、二回、三回と重ねる。
今まで伝えられずにもどかしかった、その分の想いを、今ここで押し付けるように。
情熱的と言われた、この満ちて溢しそうなほどの想いを余す事なく伝えるように、ずっと。
…そんな、甘い甘いキスの嵐の真っ最中でしたが。
ドアの向こうから話し声がして、人の気配に気付く。
誰か来る!と思って、惜しみながらもなずなから離れると、ドアがトントントン!とけたたましく叩かれた。
本当に来客?
…と、思ったら、ドアがガバッと開く。
同時に、来客が元気良く入室してきた。
「なずちゃぁーん!お見舞いきたよー!」
「なず姉ぇーっ!動けるのー?!」



