なずなが俺のボディガードを正式に命じられていることは…いや、これにはいろいろ思うところはある。
また、あの時のように目の前で…と思うとそれは絶対に嫌だ。何としても、断固阻止したい。
聞かされた話は、実は驚愕の事実ばかりで。
混乱しそうにもなったけど。
よく考えて、頭の中で整理した。
でも、あれこれ考えたって。
そんなことよりも、俺にとって一番大切なのは、やっぱり。
目の前にいる、このなずな。
そんな結論に辿り着いた。
「だ、だって…私はおまえのボディガードで、でもそれを隠してて…」
「…それが、何なの」
「へっ…」
「隠し事していてすみませんでしたとか?それとも何か問題あるか?」
「………」
えっ。黙り込んだぞ。そっぽ向いていじけたような顔して。
…ひょっとして、なずなが危惧していることって、そこなのか?
何も言わないで、陰ながら護衛していてすんませんとか、そこ?
だから、告白の返事もしぶっていたのか?
ボディガード問題との板挟みになっていたとか?
そこは…予想がつかなかった。



