「…おまえら全員、何考えてるか当ててやるか?」
全員が俯く中、そう声をあげたのは、唯一術者ではない、橘社長だった。
「…その【無限の夢】とやらは、恐らく橘の者には効かない。頼智や伶士だけではなく…俺やジジイにもな」
「社長…」
「ばーさんの血を引いているヤツには効かないんだろ。それが加護ってもんだろ?」
「………」
社長の言う通り。
橘の加護とは、結果そういうことだ。
そして、その続き。
ひょっとしたら…という、あくまで憶測の続きだけど。
決して、誰も口にすることが出来ないことを。
…この社長は、言ってしまう。
「…ひょっとしたら、優にかけられた【無限の夢】は。…何も、ヤツを殺さなくとも、伶士の『夢殿』の力で解けるんじゃねえのか」
「…社長!」
剣軌は勢いあまってガタンと席を立つ。
それを言ってはいけない、と言わんばかりの勢いで。
向けられた視線には、釣り上がっていて、怒気が込められているよう。
(お、おい…)
普段、クールであまり感情的にならない人間が、声を張り上げて感情を張り上げると、一段と恐ろしく感じてしまう。



